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JUNK ISLAND

第1話


~第1話~

ガーディアンズ・コロニーは五つのフロアに分かれている。
1Fは居住区と噴水がある広場。2Fと3Fはショッピング街
4Fは他の惑星へと移動するためのPPTスペース
そして5Fはガーディアンズ総本部である。

多くのガーディアンズが入り乱れる中扉から無造作な赤い髪の男が入ってきた。

赤いタンクトップに黒いジーンズをはいていて、タンクトップから見える腕は
細身ながらも筋肉がある程度ついているのが分かる。

彼の名はヴェイス=ガルガード。今年ガーディアンズに入った新米で、
21歳になるヒューマンである。

ヴェイスは受付まで歩いていくと一人の受付嬢に声をかけた。
「やぁミーナさん。今日のスケジュール教えてもらえる?」

声のトーンは軽く、少年っぽさが抜けていない。

ミーナと呼ばれたショートカットの茶色い髪に
クリッとした丸い目を持つ女性は微笑みながら答える。
「まずはガーディアンズライセンスを提出してくださいね。」

ミーナはこのガーディアンズ本部の受付嬢で
その愛嬌と手際の良さで多くのガーディアンズから慕われている。

「あぁ、そうだった。ごめんごめん。えーと・・・あ、あったあった。はい。」

ヴェイスは慌てて服のあちこちを手で探りながら
やっとのことでライセンスを差し出す。

それを見たミーナは少し可笑しそうに笑い、受け取る。
「はい確かに。ちょっと待っててくださいね。」

そう言ってミーナはてきぱきとライセンスを確かめて、
ヴェイスの日程を確かめる。

そしてうれしそうにヴェイスを見上げた。

「ヴェイスさん。喜んでください!やっとパートナーが決まりましたよ。
今日は惑星パルムでそのパートナーと教官との打ち合わせ後、
早速原生生物の駆除です。」

ヴェイスはやっとかとため息をつき、はやる気持ちを抑え
「ミーナさん。俺のパートナーと教官がどんな人か教えてくれない?」と、
これから自分の上官になるであろう人物について尋ねる。

ミーナは少し待ってくださいね、とつぶやいてデータを探していく。
「えっと、教官の方はガース=アーノルドさんですね。
ビーストの方です。荒っぽいとこはありますが
腕は確かですよ。パートナーの方はやっぱり新規の方ですので
詳しい情報はないのですが、
名前は淋(リン)=暁(アカツキ)さんです。ヒューマンの方ですね。
女性の方のようです。」

「そっか、ありがとうミーナさん!!」

そう言ってヴェイスは振り返り本部を後にしようとすると、
後ろからミーナに呼び止められた。

「ちょっとヴェイスさん!パルムへのパスポートの
受け渡しと待ち合わせの場所を言ってません!」

ヴェイスが振り返るとミーナはカウンターから身を乗り出して
ヴェイスを引き止めている。

ヴェイスはただただ苦笑してすいませんと言うしかなかった。

「ふふ、もうヴェイスさんは世話が焼けますねぇ・・・。」
そう言ったミーナはまるで出来の悪い弟をもったように苦笑していた。

そしてパスポートの発行を行うまで適当なイスでくつろいでいたヴェイスは
周りにいたガーディアンズの笑い話の種となり萎縮していた。

「はい、ヴェイスさーん。パスポートできましたよー。」

ミーナの元気な声が聞こえ、
ヴェイスはこれでこの空間から抜け出せるとホッと胸をなでおろした。

「これがパルムへのパスポートです。失くさないでくださいよー?
それと、待ち合わせ場所はパルム西地区のオープンカフェだそうです。」

パスポートを受け取り待ち合わせを聞いたヴェイスは
御礼を言って、ひとつ尋ねた。
「ありがとうミーナさん。それと・・・もう他にないよね?」

ミーナは可笑しそうに笑って言った。

「無いですよ。行ってらっしゃい。精霊の御加護がありますように・・・。」

                                 ~続く~


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